脳筋でもデキル!Blender初心者からの3Dキャラ制作(VRM)
※2021年11月現在、Blender2.9が公開されています。それに伴い、一部リンク先の解説記事が古いバージョンのものがあります。ご了承ください。今から始めるなら2.8か2.9を推奨しています。(解説記事が多いのは2.8、特にこだわりないなら2.9からどうぞ)
こんにちは、お久しぶりです。筋肉マチオです。
今回の記事では
「目的に応じたモデル制作を、全体を見通して必要な作業が行える」
というのを目標とした、キャラクター制作についての記事です。具体的には
主にBlenderというソフトを使用を使用して、VRM形式のモデル完成を目指していくものです。
VRMとは何かの説明はこちらのサイト↓
1から10あるうちの、1や4などについて詳しく述べられている記事は沢山ありますが、1~10(始めから終わりまで)を解説した記事があまり見当たらなかった為、この記事を書こうと思いました。深く狭くではなく、”浅く広く”です。
点としてネットの海に散らばってる記事をこの記事で線にします。
要するにリンクを貼りまくり、そこに補足を入れる形です。
”先に”全体を知り、”先を”見通した作業を実行できたら嬉しいですよね。
では内容に入っていきます。
※完成予定物はコチラ↓(踊っているモデルです)
72回目
— 筋肉マチオ (@Machio_Kinniku) 2019年2月1日
遂に!自分史上最高で最強のVRMモデルが完成しました!
大分時間かかりましたが、この経験を活かしたいです。
今後はVR,VRM,Vtuberに関連したモノを作っていきたいと思います。
#マチオアウトプット pic.twitter.com/uFJtJwSpk5
目的と目標を決めよう
始める前に一番重要なことを確認しておきます。
ここがブレたり曖昧なまま始めたりすると、目標到達まで遠回りしてしまいます。
目的を決めましょう。何の為に、何故、何を目的として3Dモデルを作るのか。
Vtuberとして活動する為のモデルが欲しいのか、3DCGソフトを扱う技術を身に着けたいのか。
Vtuberとしての活動を目的としているならば手軽に制作できるアプリやサービスがあるのでコチラを選択肢に入れてみると良いかもしれません↓その他にもLuppetやバーチャルモーションキャプチャーなどがあります。
個人的にモデルを作る&欲しいのであればVRoidがオススメです。
いま「VTuber」を始めるならこれを使え! お手軽VTuber制作・配信サービスまとめ https://t.co/IenDBiRljt pic.twitter.com/P8Bso7WsiO
— PANORA (@panoravr) 2019年2月18日
様々な手段があるにもかかわらず、自分が3Dモデルをフルスクラッチで制作した理由はこちらです。
何故3Dモデル作成で、様々なソフトがあるにもかかわらずフルスクラッチを選び、しかも男アバターを作ったのには大まかに4つ理由があります。
— 筋肉マチオ (@Machio_Kinniku) 2019年1月24日
1バーチャルで胸張って活動できるアバターが欲しかった
2将来活かせる3Dの知識習得
3アバターの多様性を主張
4モデラーの努力と苦労を体験したかった
どうですか?目的と目標は大体決まりましたか?では本題に入っていきます。
大まかな全体工程
モデリングしていくうえでの全体工程はコチラです。画像を見ていただくと、大体のイメージが掴めると思います。
主にBlenderを使用したVRM形式の3Dモデル制作過程をまとめました。
— 筋肉マチオ (@Machio_Kinniku) 2019年2月18日
画像は自由に使っていただいて結構です。(スライドで使いたい~とかブログに載せたい~など知らせてくれたら喜びます。)
もし誤りがあったらリプライで教えて欲しいです。 pic.twitter.com/kvPYvMAbzM
主に、キャラデザ,下絵,モデリング,リギング,UV展開,シェイプキー,UnityでVRM作成の7つの作業に分けることができます。VRMのモデルを一度作ったら、fbxという形式のモデルも作れますし、VRM Converter for VRchatというモノを使用することで、あのVRchatというサービスでもすぐに使えるように調節できます。
では詳しい内容を見ていきます。
記事内容
!主に自分が参考にしたサイトや動画URLを貼りまくります!
主にBlenderを使用します。
※使用するバージョンは2.79bです。
※2021年11月現在は2.9がリリースされていますので、2.9を推奨します。筆者は2.7~2.8を主に使っています。
1から10全てを浅く、広く、網羅します。
主に記載したサイトを辿って作業を進めていただきます。補足などはこちらで記載します。
1.キャラクターデザイン
制作するキャラクターの設定を考えます。男性であるのか女性であるのか、そもそも性別がある人なのか。自分のように絵が描けない場合は、メモなどに設定を書き出してみるとイメージが固まるのでオススメします。
以下のサイトが非常に参考になります。
物語を動かす~キャラクターデザイン基礎知識~ | イラスト・マンガ描き方ナビ
※人ではないモデルであっても、最終的にHumanoidという人型として登録する為、なるべく人型に近いと扱いやすいです。
2.下絵作成(三面図)
3Dのモデルを制作していく際に、お手本となる下絵を各自普段使いしているペイントツール等を用いて作成していきます。必ず三面図である必要はなく、正面と横から見た図があれば良いでしょう。
Googleで「3Dモデル 三面図」と画像検索すると参考になります。(自分はClipStudioPaintを用いて顔のみの、正面と横からの図を描きました)
「絵が描けない!」なんていう場合でも三面図を配布している方もいらっしゃるので、規約等を確認して利用しましょう。オススメ動画&三面図配布↓
【第0回】ワニでもわかるゼロからのBlender - YouTube
3.モデリング作業
ここでは主にBlenderという3DCGソフトを使用して、実際に3Dのモデルを作っていきます。なんと無料です!
まずは過去の記事に書かれている、コチラの「2,初期設定や操作方法について」までをお読み下さい。必要最低限の事前知識となっています。
脳筋でもデキル!Blenderゼロからのカーモデリング - Machio_Kinniku’s diary
事前に知っておくべき情報と操作は以上です。
早速モデリングの作業に入っていきましょう。以下のサイト,動画を参考にモデリング進めていきます。
Blenderでモデリング(基本操作):In MMD Life - ブロマガ
【第0回】ワニでもわかるゼロからのBlender - YouTube
補足:ミラーモディファイアを使用すると半分を弄るだけでよくなります。ほぼ必須です。
※一番下のYoutube動画に沿って進めるのをオススメします。それを他2つのサイトを中心に補う形です。顔(髪の毛を除く)は最低限作れると良いです。
”とにかくGoogle検索を活用して下さい”
この記事では1~10を紹介することを目的としています。モデリングは果てしなく奥が深いです。初めて作ったモデルが綺麗に出来るのはまず難しいです。
自分が完成予定物として掲げたモデルも半年近くかけて何度も作り直したものです。
3.1.モデリング補足
モデリングの仕方には大きく分けて3つあります。コチラのツイートが非常に分かりやすいので参考にどうぞ。自分にあったものを見つけて下さい。
3DCGやってみたい人向け作り方比較、あくまで自分の経験上の感想ですが。自分の場合だいたい真ん中の作り方です pic.twitter.com/zUMW7D5eej
— 函丞蒸汽 (@aldarsign) April 24, 2018
※スカルプトは覚えるのが大変&難しいです。とても楽しいですが、狙った造形を作るのにコツが必要です。「こんな機能もあるんだ!へー」ぐらいで最初はいいと思います。
3.2.MakeHumanとVRoidの活用(必要に応じて)
Blenderで髪の毛や体、全てを作るのも良いですが、大変便利なアプリがあるので一部をそれで作ってしまいましょう。非常に楽になります。
具体的にはMakeHumanまたはVRoidから体を、VRoidから髪の毛を持ってきます。CC0なので大丈夫です。(実際に規約に目を通しましょう)
MakeHumanのダウンロードページ↓
Downloads | www.makehumancommunity.org
・MakeHumanの参考動画
makehumanで人間モデルを作成する - YouTube
・VRoid公式サイト
4.リギング(ウェイトペイント)
※後述する5の UV展開 とこの リギング はどちらを先にやっても良いです
ここではモデルに骨を入れて、骨を動かした際にどれだけ動くかを作成していきます。
注意すべきは、「Humanoidという最終的にVRM形式にする為のボーン構造にしてあげる必要がある」ことです。
ボーンの基礎知識や参考はこちらから
【Blender】アーマチュア(ボーン)とは?簡単な使い方(1/3)【骨格を作ってポーズを取る】
【Blender:09】Blenderでリギング!モデルを動かしてみよう!~人型リグの作成と割り当て編~【Medium】 - YouTube
あらかじめ、のちほどモデルをVRM化するのに使用するUnityというものでHumanoidとして読み込ませる為のボーンを配布してくださっている方がいるのでこちらを利用すると非常に楽です。
補足:目にも骨を入れてあげることでアイトラッキング(目の動き)をつけることができます。
アリシアソリッドちゃんというモデルを観察することで構造の理解が進むのでオススメです
5.UV展開(テクスチャ描き)
3Dモデルの表面(皮)となるものを作っていきます。
イメージとしては完成した折り紙のツルを、元通りの四角形の状態へ戻し、そこに絵を描きこむような感じです。
オススメの動画とサイトはこちら
【Blender:04】テクスチャを使う下準備!「UV展開」に挑もう!【Beginner】 - YouTube
Blenderでの人体モデルのUV展開 | soramame works
Blender&Photoshopで少しだけ楽にゲーム・アニメ系キャラクターモデルの肌テクスチャを作成する方法 - ネコガネ:メモ帳
6.シェイプキーの作成
リギングとUV展開を終えたら最後の仕上げ、シェイプキーの設定を行います。
この設定をすることでモデルに表情や口パクをさせることができます。
参考にしていただくサイトはこちら
Blender操作忘備録 : モーフをシェイプキーで作るメモ - livedoor Blog(ブログ)
blenderでシェイプキー vrchatのリップシンクとか瞬きとか準備の巻 - 海の底または近海を漂うナニカ?
blenderでMMDモデルを作ろう|第6-1回:左右対称モーフ、瞳、口 - うさこのブログ
6.1.Blenderからfbx形式で書き出し
Blenderからfbxファイルを書き出します。
モデルのメッシュとボーンを選択し、ファイル>エクスポート>FBXを選択します。
選択したオブジェクトと実験的機能にチェックを入れて適当な場所にエクスポートします。
以上が主なBlender上での作業です。
ここまで終えるのに、慣れるまでは相当な時間がかかります。
初めてモデルを作る場合はクオリティを重視するのではなく、ひとまず完成を目標にするのが良いかと思われます。
Unityへ持ちこんでVRM作成
最後にfbx形式のモデルデータをUnityというゲームエンジンへ持ち込み、VRMファイルを作成します。
参考サイトはこちら
「VRoid Studio」で作った3Dモデルを「Unity」で動かしてみよう(下準備編) │ 3oWebCreate WEB小ネタと生活ライフハック
↑途中まででOKです
https://dotinstall.com/lessons/basic_unity
↑Unityの基本操作です。#11あたりまででOKです。見た目が異なるので最新版の方と照らし合わせると良いです。
VRMファイルを作ってみたい - dwango on GitHub
↑VRMの作り方です。
内容に少し補足を入れます
・ForceTposeについて
あらかじめTポーズになっているモデルの場合はチェックを外してください。位置がズレる場合があります。
・ブレンドシェイプの設定
インスペクタはここの三角形のマークをクリックすると表示されます。名前はBlenderでつけた時の名前になっています。
上記のサイト通りに手順を踏むとVRMモデルの完成です。
追記:自分も友人もつまづいたポイントがあるので補足ツイートを載せておきます。
~Unity初心者がつまづくVRM化操作の補足~2ポイント紹介
— 筋肉マチオ (@Machio_Kinniku) 2019年2月20日
これを見て進める(https://t.co/k3UfLAO8Oi)
1,ForceTposeは既にTposeのモデルならチェックなしで良い
補足(https://t.co/9d0ZsMj4Rvとモデルの正規化の詳細)
2,BlendShapeによる表情変化の確認は”再生時”に確認できる pic.twitter.com/IdredNWOr0
まとめ
いかがでしたでしょうか?VRMのモデルは作成できたでしょうか?
おそらく所々で不具合や思い通りにいかない事が多々あると思います。
完璧を目指すのではなく、一度全体の作業を経験し、次のモデルを作成する際に役立てるのがベストではないかと思います。初めてで上手くいくことはないです。
何か新しいクリエイティブな事に挑戦することは非常に難しく、多くの壁があります。
それを乗り越えた時の達成感は圧倒的です。
クリエイティブな事に挑戦する貴方を応援してます。